Vol.3 ~六本木の森の中で~

uka代表の渡邉季穂さんとは2年前くらいから交流があるのですが、今年オープンされた六本木のサロン「uka park side suite」でMiMCのメイク商品を取り扱っていただいているので、サロンへ訪問しブランドのお話などをお伺いしてきました。

北島

ミッドタウンから1本入っただけなのに、ほんとに静かなところですね! 緑に囲まれていて、六本木にいるのが嘘みたいです。


渡邉さん

そうですよね、物件を見にきた時にすぐに気に入って、インスピレーションで決めました。 2012年にスパを立ち上げてから伊勢丹や銀座シックス、六本木ミッドタウンで運営していたのですがコロナで状況が変わって‥‥。百貨店の中で運営していると色々制限もあるので、ブランド独自の色が出せる環境でやってみようとオープンしました。


渡邉さん

多くの方が時間の使い方を見直しているように感じます。 ukaを立ち上げた当初は、忙しい女性のために短時間でトータルビューティーを叶えるサロンを目指していました。きれいになって自分の鎧を着て外に出れば、ハートが強くなって自信に満ち、内面からも美しくなる、と言うコンセプトです。 けれど今は一つのことにゆっくりと向き合って、自分の時間を過ごすことが求められているように思います。自分と向き合う時間が増え、それと共に自分の時間を大切にする人も増え、そんな人たちに自分自身を癒してくれる場所、喧騒から離れて大切な時間を過ごせるような場所になればいいと思っています。 六本木ミッドタウンの店舗が「動」であれば、こちらのサロンは「静」といったところでしょうか。

北島

ほんとに日常を忘れて落ち着ける環境ですよね。流れている時間が穏やかで、心からリラックスできています。ケアに使用されている商品やアイテムなどにも、随所にこだわりが感じられ、ウェルカムドリンクでいただいたお茶と小菓子も美味しかったです。


渡邉さん

ウェルカムドリンクでお出ししているお茶は、クロモジのお茶なんですよ。7月に発売になったヘアケア商品にクロモジを使用しているのですが、きっかけは湿疹で悩んでいた時にクロモジに効果があると聞き、取り寄せて使ってみたところ良さを実感したことでした。クロモジをキー成分に頭皮のかゆみに特化した「アンチイッチシャンプー」を3年前に発売しました。 ヘアケアを発売してから10年が経ち、リニューアルを考えていたところに、サーフィンを通して夫で社長の渡邉と海洋学者でサーファーの佐藤先生が出会い、クロモジが森や海や地球の回復に有効であると教えていただきました。伊豆では高度経済成長期から植林の加速で森のバランスが崩れ、森だけでなく海にも影響が出ていて‥。 木材として使われなくなったスギやヒノキが伸び放題となっているので、計画的に間伐すると、バランスが戻り自生していたクロモジも生えてきます。キー成分にクロモジを使うことで需要が増え、森の回復と経済活動につなげていけると考えています。佐藤先生と静岡県と協議をはじめました。


森を豊かにすることで、海も豊かになる。そんな佐藤先生の言葉を受け、商品にはクロモジだけでなく、伊豆で育った海藻のフノリと、天然のシリコンとして利島の椿なども使用して、uka イズ シャンプーと名付けました。 間伐後のサイクルを出来るだけ回すため、原料だけでなくお茶に使用したり、クロモジ入りの紙を作り商品パッケージに使用したりと幅広く使用しています。今後はクロモジウォーターも生産して原料としての販売もしていきたいと考えています。


今回のヘアケアから新しく“リジェネラティブグッド”「次世代に、健やかで住みやすい地球をバトンタッチできるように。アイデアと誠意を尽くして、今できることにみんなで取り組み、地球環境を回復させて循環する方へ進むこと。」を定義しました。 サスティナブルという言葉がよく使われていますが、持続するために一定のものを保つ、というように捉えていて、それよりさらに次のステージとして行動することでよりよいものをつくって行こう、というような思いを込めています。


北島

MiMCでも、ちょうど今「リジェネレーション」という言葉を打ち出したんです。これからは持続可能なだけではもうダメで、再生を繰り返して新しいものを生み出していく、そんな考えの元、商品づくりをしています。年内発売する予定のコフレには古紙を使ったケースを採用しており、日本初のものになります。 アイシャドーケースなのである程度の長い期間使用できるよう紙にプラスチックを混ぜているのですが、紙の素材感が出ていて一つひとつ模様が異なるんです。少し前までは、商品とはキズも汚れもない統一の規格であってこそ、という世の中だったように思いますが、最近では規格が揃っていない個性が受け入れられてきているように感じます。


渡邉さん

ukaでは先日発売したリップクリームは紙の容器でつくっていて、部品も全て紙なのでリップを出したら自分で押さないと戻らないという不便な部分があり、お客様の協力が必要になるんですよね。だけど便利すぎる世の中でたとえ利便性に欠けていても環境問題を優先した商品をあえて出すことに、今の時代は理解をしていただけると考えています。 マニュキュアのボトルも使用後の回収を実施していて、回収したものを洗ってそのまま再利用する予定です。ボトルの塗装ハゲやキズなどがあるものもあるのですが、それも味として受け入れてもらえる時代になっていると思います。


北島

ブランドとしての考え方や取り組みなど、共通点がたくさんあり本当に驚いています! ぜひ今後コラボレーションで何かやりたいですね!


渡邉さん

本当ですね! MiMCは私も好きなブランドで、そしてukaのお客様もMiMCの商品が好きな方が多いと感じます。 サロンのパウダールームの引き出しにMiMCの商品を並べているのですが、開けた途端に歓声が上がることも多いんですよ!

同じ志のあるブランドの商品を置くことができて、とても嬉しく思っています。 今後もぜひ一緒に何か取り組みをしていきましょう。新たな楽しみができました。