Vol.13 〜肌の内なる力を呼び起こす MiMC的スキンケア理論〜

水分と油分のバランスを整え、肌本来のパフォーマンスをサポート


まだまだ残暑が厳しいですが、少しずつ日の入りも早くなり秋の気配を感じます。本格的な乾燥が気になりだすその前に、MiMCの考えるスキンケアの役割についてお話したいと思います。


私が初めて自分の肌と真剣に向き合ったのは20代。ラボにこもり薬品を扱い実験を行う日々を過ごしていた私は、ある日突然、化学物質過敏症を発症してしまいました。アトピーやアレルギーも併発し、辛いかゆみや肌荒れでメイクもできず、自分の肌を鏡で見る度に心も落ち込んでいきました。研究発表の場面でも、研究内容には自信があるはずなのに、この肌で人前に出ると思うと途端に自信を失ってしまうのです。肌と心の繋がりを深く実感し、MiMCを創業するに至るきっかけとなった出来事でした。あの時の私の願いはただひとつ。とにかく”健康な肌”に戻りたい。美しい肌の大前提にある健康な肌=理想的な肌の状態になるにはどんなアプローチが必要か、という視点でスキンケア開発に着手しました。


“健康な肌”について、人類の誕生から考えてみると(あまり考える人もいないかもしれないですが(笑))、アウストラロピテクスなど初期のヒト属へと進化した頃は、まだゴリラやチンパンジーのように全身が体毛で覆われていて日差しや外傷、虫から身体を守っていました。ホモ・サピエンスが誕生する頃には、二足歩行で長距離を移動する生活に対応し、脳と生殖機能や目のまわりなど重要な機能を持つ部位以外の毛は薄くなり汗腺が発達、適切な体温調節が可能になったのです。ここで何をお伝えしたいかというと、本来、肌(皮膚)の機能というのは環境に適応し身を守る力を持っているということです。



現代を生きる私たちの肌にも、自らの力でうるおいを保ち、外界からの刺激を防ぐ天然の防御機能が備わっています。その鍵となるのが、角層を構成する”水分と油分のバランス”。水分を十分に保持する力があり、そこに皮脂などの油分が適切に広がることで、肌はやわらかさとしなやかさを保ちながら外的刺激から守られ、ターンオーバーもスムーズに行われます。しかし、乾燥した空気や紫外線、ストレス、加齢などによってこのバランスは崩れやすくなり、結果として肌荒れやエイジングサインを引き起こし、様々な肌悩みへと発展するのです。


シミに悩む方もいれば毛穴が気になる方もいて、年齢や生活環境によって肌悩みというのは千差万別だと思いますが、すべては健康な肌状態=理想的な水分と油分のバランスを崩していることが起因します。まずは、どんなお悩みに対しても、MiMCのスキンケアコンセプトである「SKIN WAKE-UP」(https://www.mimc.co.jp/shop/pages/concept.aspx)、本質の部分から美しさを呼び覚まし、みずからその美しさを高める力をサポートする、そんな役割を担うのが私が考えるスキンケアです。

2012年にMiMCとして初めて発売したスキンケア製品がまさに、こだわりの良質な油分を肌に届ける「オーガニックオメガチャージ」(https://www.mimc.co.jp/shop/g/gM1SE-01002/)です。インカインチオイルをはじめとする厳選した植物オイルをブレンドし、鮮度を保つために1回使い切りのカプセル形状にしています。


着目したのは、必須脂肪酸のひとつ「オメガ3」。オメガ3は体内で合成できない成分で食事や外部から補う必要がありますが、身体にとって必須な栄養素であるがゆえに、摂取した成分は重要なところから優先的に使われるため、肌への供給は後回しに。肌に届けるためには直接補ってあげるのがとても大切です。良質な脂質は肌の土台を育み、水分をムラなく届ける道しるべとして働きます。角層に十分なオメガ3が存在することで、乾燥などの外的ダメージから肌を守るバリア機能をサポートします。

オメガチャージをスキンケアステップの最初に使用することで、そのあとに補う化粧水がすみずみまで行き渡り、MiMCが考える健康な肌状態「水分と油分のバランスが整った肌」へ導いてくれます。


余談ですが、今でこそ「オメガ3を豊富に含む青魚を食べましょう」と雑誌で紹介されていたり、オメガ3が豊富な亜麻仁油がスーパーで売られていたりと認知が広がっていますが、オメガチャージを発売した13年前は誰に話しても「オメガ3って何?」と頭上にハテナが見えるような状況でした。でも私がかつて住んでいたカリフォルニアでは2002年頃にはすでにスーパーで売られていて、長男を妊娠時には悪阻で栄養が摂れずにいたところクリニックでオメガ3を飲むように勧められた経験があり、細胞が生み出されるステップで重要な栄養素であると感じていました。いつか化粧品を開発したいと考えていたものの、当時はオメガ3のオイルは冷凍で販売されていてたほど酸化しやすい性質があり、実現するまでにはとても時間がかかりました。


肌が自然に受け入れる、生体親和性に着目した処方設計

健やかな皮膚が作られる適切なバランスを作るということ以外に、もうひとつ私がスキンケア製品を開発するにあたりとても大切にしていることがあります。それが”生体親和性”。

どんなに画期的な成分であっても、それが”肌にとって受け入れやすい”ものでなければ、十分な効果は発揮されません。ここで重要なのが生体親和性という考え方で、ある物質が身体の組織や細胞と接触したときに、拒否反応や刺激を起こさず、むしろ自然に調和して機能を補う性質を指します。

天然由来成分だとしても、肌のために必要な成分なのか、それとも化粧品をつくるために必要な成分なのか、そこには大きな違いがあります。たとえば防腐剤は化粧品として製品化するためには必要だけれど、本来肌にとっては不要なもの。浸透のよい使用感の化粧水を作りたいと思えば、肌に無理やり受け入れさせるために浸透させるような成分をいれるという選択肢もあるけれど、そうするとだんだん肌に耐性がつき、受け入れないように抵抗し、皮膚が硬くなってしまうという懸念もあります。植物オイルひとつをとっても、肌の皮脂組成に近いものを選ぶことで、浸透力やなじみの良さが格段に高まります。結果として、成分そのもののポテンシャルが肌の上で最大限に引き出されるのです。


スキンケアの本質は、外側から“塗り重ねること”ではなく、肌が備えている機能を最大限発揮できるサポートをすること。生体親和性の高い成分を選ぶこともそのための重要な視点です。


美白やしわなど、細分化された悩みに特化した美容液もラインナップしていますが、すべての製品において基本的な考え方は同じです。またそれぞれの製品についてもまた改めてご紹介できたらと思います。

スキンケアの秋冬支度、ぜひ楽しんでくださいね。