Vol.7 ～石けんオフメイク～
落とす負担を減らすことは、健やかな肌へのスタートライン
MiMCが誕生した2007年から一貫して、”石けんで落とせるメイク”をベースに製品開発を行ってきました。ファンデーションはもちろん、鮮やかな発色のアイシャドーやリップも全て、クレンジングを使わずに石けんでオフすることができます。（マスカラ、リキッドアイライナーはぬるま湯をご使用下さい。）ここまで石けんオフにこだわった理由は、第一に、”肌を健やかに育むこと”と”素肌の美しさを保つ”の両方を叶えるために、”落とす負担を減らすこと”が不可欠の要素であると行き着いたからです。
顔の皮膚というのは、2mmにも満たないとても薄い膜です。アレルギーやひどい肌あれを経験したことがある人はご存じかもしれませんが、バリア機能が低下し敏感に傾いている状態の肌は、水すらも沁みて痛いのです。花粉が猛威を振るう時季には、肌のかゆみが辛いという方も少なくないと思います。それだけ肌は繊細です。
たとえば食器を洗う時、地肌で洗剤に触れないように手袋をつけて洗う方もいますよね。でも毎日のクレンジングはそうはいかない。メイクを落とすために、肌に直接、洗浄成分をのせるのです。強力な洗浄力をもつクレンジングを使うことは、肌の正常なバリア機能を保つために必要な油分まで取り去ってしまう可能性があり、肌によっては刺激となる場合もあります。
毎日のメイク落としを見直すことは、健やかな肌づくりのファーストステップ。石油由来の合成界面活性剤や合成防腐剤、タール色素などを使わずに、ミネラルや植物由来成分によって作られたメイクアイテムを選び、クレンジングを使わずに石けんでメイクオフする。これで肌の好循環となります。
汚れは残さず、うるおいを届ける
洗うことへのこだわりから生まれた、スキンケアのような石けん
石けんオフメイクを提唱していると、洗顔フォームやミルククレンジングではなく、なぜ”石けん”なのかという質問をいただくことがあります。
石けんというのは、実は5000年以上もの歴史があり、食器や衣類の洗浄も含めて人々の生活を支えてきたもので、しっかりと汚れを落とす力が備わっているからこそ、長い年月を経ても根強く存在し続けるのだと思います。
落とすという作用には、界面活性剤による化学的な力と、泡などの物理的な力の２つがあります。どちらも大切で、それぞれの力をうまく活用して世の中の洗剤というものは作られています。
石けんは、泡立ちという面ではフォーム状の洗顔料には劣るかもしれませんが、化学的な落とす力を十分に備えています。
とはいえ一言で石けんといっても、成分も製法も様々です。ここでMiMCの石けんのこだわりをお伝えさせていただきます。
MiMCのオメガフレッシュモイストソープは、コールドプロセス製法という昔ながらの石けんづくりの製法を採用しています。少しマニアックな話になりますが、石けんとは、油脂とアルカリが反応し、鹸化という化学反応が起きることで作られるのですが、この鹸化の過程で熱を加えずにゆっくりと時間をかけて自然に熟成させる製法のことをコールドプロセス製法といいます。ゆっくり反応を起こすことで、厳選して配合している植物オイルの栄養素を壊すことなく取り込むことができ、鹸化した際の副産物として生まれる保湿成分グリセリンもコールドプロセス製法ではそのまま石けんに含まれるため、しっとりと潤う洗い上がりを実現できるのです。
そして鹸化のあとには乾燥させる作業があります。この工程も、温度と湿度をコントロールすれば数日でできることですが、自然乾燥で1〜2ヶ月かけて固めていくことで、しっかりと硬さがあり、泡立ち良くなめらかな使用感となり、品質にムラがなく、植物の恵みをたっぷりと感じていただける石けんが出来上がります。時間もコストもかかり、時流とは逆行しているように思いますが、それだけ洗うことを重要視した結果がここにあります。
自然も、肌も、生きている
環境にやさしい選択は、自分の肌をいたわる第一歩
石けんにこだわる理由として、潤いを残してすっきりと洗い上げる使用感はもちろんですが、注目すべきは生分解性にあります。
界面活性剤が土や海、川などの自然の中へ排出された時、微生物などによって水と二酸化炭素などへ分解される性質を”生分解性”といいます。プラスチックが分解されずに海や川へ留まることで、海洋生物への影響や水質汚染が近年の環境課題になっていますが、自然界で分解できるかどうかは環境配慮の重要な視点です。石けんはなんと、土に触れた瞬間に生分解をはじめると言われています。それだけ、環境への負担が少ないことを意味しますし、だからこそ、5000年以上の時を経て廃れることなく存在しているのだと実感します。
想像してみてほしいのです。自分が顔を洗ったあとの水を、あなたが大切に育てている植物にかけることができますか？自分の肌も植物も、同じように生きているのです。石けんは、肌に不要なものを残さず、そして地球にも留まりません。
これが私が石けんにこだわっている理由です。毎日のメイクオフを石けんに変えることは、健やかな肌へ導くための選択肢の一つですが、同時に環境を守るために一人一人ができる重要な一歩です。環境へ思いを巡らせ行動することは、巡り巡って自分の肌を大切にすることにつながります。そんな観点からもぜひ、MiMCの石けんを手に取ってみていただけたら嬉しいです。
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