Vol.8 〜美を纏いパワーを宿す、ミネラルメイクの魅力〜

石けんオフメイクと美しい色彩を叶える唯一無二の輝き

今回は、ミネラル(=鉱石)の魅力についてお話ししたいと思います。美しい仕上がりと石けんオフを両立するメイクアイテムを作ろうと思い立った時、ミネラルを使わずして色を出す選択肢はありませんでした。


自然界にあるもので、肌に頑固に密着して落とせないものはほとんどありません。

ミネラル・植物・果実などの天然由来成分だけでできた化粧品ならば、合成界面活性剤によって油と水をなじませて落とす必要がなく、石けんでオフできるはず!そんな発想から研究開発をスタートしました。


しかし現実は、ロングラスティングやウォータープルーフを実現するならシリコンやパラベン、発色を追い求めると有機色素が必要不可欠というのが通説とされていた化粧品開発の世界では、そもそも石けんで落とせる製品を作ることすら難色を示される日々で、天然原料だけでカラフルなメイクアイテムを作るなんて不可能でしょうと言わんばかり。当初はとても苦戦しましたが、それでも私の中では、世界中を探してみれば、きっと実現できるはずだと、どこか確信めいたものがありました。


なぜなら、日々目に映る自然の色が、あまりにも美しく、色彩豊かであるから。

太陽の光を浴びた花や自然が生み出す色彩に勝る美しさがあるでしょうか。

それを表しているのが絵画の世界。フェルメールの「青いターバンの少女」はラピスラズリから青を描き、レオナール・フジタ(藤田嗣治)の「乳白色の肌」はタルクが使われているように、上質天然色素によって描かれた名画がたくさん存在します。


そうは言いつつ、理想の色へ導く作業は本当に試行錯誤の連続ですが、コレクションカラーを毎シーズン発表し、様々な撮影現場でも重宝される製品を、ミネラルと天然由来の成分だけで作り出すことができています。


”メイクでスキンケア”を叶える、ミネラルの肌への作用

ミネラルに着目した大きな理由、スキンケア作用についてもお話したいと思います。


MiMCでは日焼け止めやファンデーションのメイン成分として酸化亜鉛を配合しています。酸化亜鉛には紫外線散乱作用、収れん作用、整肌作用があるので、メイクアイテムに可能な限り配合することで”メイクでスキンケア”を叶えることができました。実際に、MiMCでメイクをすると、1日の終わりにメイクを落とすときに肌の調子が良い!というお声を、これまで何度もいただきました。

たとえば肌の調子が良くないときは、あまりメイクをしないようにしますよね?でも少しでも早く角層の膜が形成される手助けをしてあげたいですし、逆に何も塗らないことで紫外線をダイレクトに浴びてしまったら、それによって色素沈着を起こしかねません。ミネラルコスメでシンプルかつ優しくメイクをすることで、肌が健やかさを取り戻すためのサポートを担うことができるのです。


そして紫外線散乱剤としてもミネラルが役立っています。

MiMCが最初に作った製品は、パウダータイプの日焼け止めでした。2007年、私はカリフォルニアに住んでおり日々強い紫外線をダイレクトに受けていて、皮膚科学を調べていくと紫外線を浴びることがいかに肌にとって負担であるか思い知りました。今では常識ですが、しみ・しわ・たるみといった肌の老化は、紫外線の影響がとても大きいと言われています。


市場に目を向けると、SPFの測定法が国際規格として発行されたのが2010年なので、2007年当時はまだSPF値が統一されておらず、SPF100や、90などと謳う製品もありました。塗り直しの必要性にも行き着いたものの、当時は塗り直しが簡単にできる日焼け止めがありませんでした。私はちょうど出産したばかりで、日焼けしやすく、シミになりやすいホルモンバランス。そして育児も大変な時期で自分のことなんて構っていられない。そんな中でもミネラルを使用すれば、落とすことも塗りなおすことも簡単で、その上日焼け予防も叶えられます。より容易にメイクの上からでも日焼け止めの塗り直しができるように、ポンポンタイプの容器を採用した「ナチュラルホワイトニングミネラルパウダーサンスクリーン」を開発しました。


肌に纏うジュエリーのように、パワーを宿してくれるミネラルメイク

ミネラル=鉱石というのは、奇跡のような自然の産物です。溶けたマグマが長い年月をかけて冷えていく過程で結晶化することで出来上がるのですが、その過程におけるエネルギー値や圧力、あらゆる環境条件が複合的に重なって作られる、本当に奇跡としか表現できないものです。


例えばルビーとサファイアという鉱石は、実は同じ酸化アルミニウムの結晶鉱物。化学的に見たら同じものなのに、内包物が違うだけで全く違う色に輝くのです。産地や切り取られた断面によってももちろん異なります。背景を知れば知るほど、鉱石=ミネラルでメイクアップできるって、なんて素敵なことだろうと改めて思うのです。


古代エジプトの女王クレオパトラが、孔雀石などの鉱物を砕いてアイメイクをしていたという歴史があります。これは、美しさを際立てるためと同時に魔除けの意味もあったと言われています。私自身、新商品の発表会で登壇する際やお祝い事の席などには、ジュエリーを身につけることで石のパワーをもらっています。MiMCの商品でも、天然の鉱物をそのまま砕いた「ミネラルカラーパウダー」は、ミネラルが持つ自然な発色と輝きを楽しめる肌に纏うジュエリー。カラーも豊富で、天然ミネラルのカラーバリエーションに驚かれると思います。お仕事柄、宝石を身につけるのは難しいという方も、ミネラルメイクをすることで、今日の自分に自信を持てるようサポートになればと考えています。


ミネラルの魅力は、色彩の美しさ、スキンケア作用、日焼け止め効果など、魅力をあげたらキリがないですが、奇跡の産物ゆえに、産地や精製方法によっても、配合される成分、成分の比率、性質も異なるため、いかに品質を見極め、それぞれの特徴をいかす処方設計ができるかも重要なポイントです。

MiMCでは、世界各地のミネラルの中から独自の厳しい基準に見合うものだけを採用し、製品を開発していますので、ぜひ体感していただけたら嬉しいです。