Vol.11 〜ローズの日〜
みなさんは、「ローズの日」をご存知でしょうか。
ブルガリアのある素敵な風習を日本にも広めるために、ブルガリアンローズ文化協会が、6月2日を「ローズの日」として制定しました。
100年以上続く伝統のお祭り
ブルガリアはバラの産地として有名ですが、中でもバルカン山脈の南に位置する「バラの谷」は、世界中のバラの中で最も香り高いとされるダマスクローズの名産地。ダマスクローズは年にたった一度、6月の初旬に収穫の時期を迎えます。バラの谷の中心地であるカザンラクという町では、毎年この時期に収穫を盛大に祝う「バラ祭」が開催されます。人々が歌い、踊り、家族や友人にバラを贈り合い感謝を伝える、100年以上の歴史を持つ伝統のお祭りです。この風習に倣い、“大切な人に感謝を込めてローズを贈る日“として制定されたのが「ローズの日」なのです。
私も今年の6月、ローズの収穫に合わせMiMCの契約農家があるカザンラクを訪れました。朝方に一輪ずつ手摘みする収穫方法で保たれる世界最高峰の香りと品質を、今年も自分の手で確かめることができました。
そしてもちろん、バラ祭にも参加してきました。民族衣装をまとった若者たちが伝統舞踊を披露し、通りにはバラにまつわる工芸品やスイーツなどが並びます。毎年選ばれる「バラの女王」によるパレードも大盛り上がりでした。町中に漂う甘い香りと、人々の活気。幸福感に満ちたあの光景は、今も頭から離れません。
ローズのちから
帰国後、「ローズの日」の認知を広げるためにブルガリア大使館で開催されたチャリティーパーティー「ローズの日の集い」に参加してきました。
私も理事を務めるブルガリアンローズ文化協会が主催し、昨今の活動報告が行われたのですが、これらの内容については以前のコラムでもご紹介していますのでぜひご覧ください。
• Vol.10:日本におけるローズ
(世界バラ会議での登壇や「ROSE CEUTICAL」の開発背景)
• Vol.6:本当のインナービューティー
(ローズウォーターレシピアワードの審査員体験)
活動報告の他にも、ブルガリアンローズのアンチエイジング効果に関する最新の研究発表がありました。私も携わっている研究ですので、今回のコラムでは発表された内容を少しだけ、お伝えしたいと思います。
はじめに知っておいていただきたいのは、「加齢」と「老化」は別物だということ。加齢は年齢を重ねることで、誰にでも平等におとずれます。一方老化は、身体の機能が衰えていくこと。このスピードは人によってそれぞれです。ある人は1年で0.4歳しか老けないのに対し、別の人は同じ1年で2.4歳分の歳をとることも。この差は生活習慣や食生活によって変えられる、私たちの日々の選択次第なのです。
体内には、摂取した栄養を全身に届けてくれる「アルブミン」というたんぱく質が存在します。加齢によりこのアルブミンが減ると、栄養がうまく行き渡らなくなり、老化につながります。
ここで注目したいのが、ブルガリアンローズの香り成分のひとつ「ゲラニオール」です。今回の研究で、このゲラニオールが減少したアルブミンの数値を回復させるという結果が得られました。さらにこの成分は、ホルモン生成に必要なコレステロールや、貧血・疲労感と関わるヘモグロビンの数値も上昇させました。つまりブルガリアンローズには、老化の原因を多面的に防ぐ力があることが示唆されたのです。
この研究報告の際には、会場の皆さんが一段と聞き入っていたのが印象的でした。
自然と人をつなぐローズ
冒頭に書いたブルガリアでの伝統文化の体験から、ブルガリアの人々にとってローズは自然との共生を体現する存在であることを強く感じました。今回の研究でも、ローズには香りによるリラックス効果だけでなく健康面でも有益な働きがあることが科学的に明らかになり、改めて私たち人間の健康や美容は自然の力に支えられているのだと実感しました。中でもローズは、特にその力を持つ植物だということも。これからも、自然への感謝を忘れず、製品を通して自然の力を皆さまにお届けしていきたいと思います。また、カザンラクの契約農家を含め、私の製品づくりに日々力を貸してくださる方々にも、改めて感謝の気持ちが込み上げる滞在となりました。「ローズの日」が、大切な方への感謝を再認識し、自然の恵みを分かち合う、そんな素敵な1日になれば嬉しく思います。
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